【取適法(旧下請法)】「システム利用料」の控除も違法!?代金減額の禁止と公表・営業停止リスクを行政書士が解説

【取適法(旧下請法)】「システム利用料」の控除も違法!?代金減額の禁止と公表・営業停止リスクを行政書士が解説

【要点まとめ】

■「代金の減額の禁止」とは:受注側に責任がないにもかかわらず、発注後に取り決めた代金を後から減らして支払う行為で、取適法で厳しく取り締まられる禁止事項の一つです。
■無意識の違法事例(公正取引委員会勧告):「システム利用料名目での一律値引き」や「元請代金の変動に合わせた下請代金の引き下げ」など、発注側の独自ルールや慣行は違法と判断されます。
■社名公表&営業停止のリスク:取適法違反による社名公表だけでなく、建設業者様の場合は建設業法28条に基づき「営業停止処分」に連鎖する大きなリスクがあります。
■実務での対応:悪気がなくても従来の慣行のまま発注しているケースが多いため、自社の発注フローや契約内容の厳格なチェックが必要です。

1.取適法における「代金の減額の禁止」とは?

こんにちは。神奈川県で行政書士を行っております藤原素雄と申します。
特定建設業者の購買部員として約1万件に及ぶ発注実務を行った経験から、建設業者様、加工業者様、設計製作業者様、運送業者様などの設備・ものづくりに携わる企業様に役立つコンプライアンス情報をお届けしております。

資本金1,000万円を超える企業様の多くは、取適法(中小受託取引適正化法・旧下請法)の「委託事業者(発注側)」に該当します。取適法で定められた禁止行為を行うと罰則等の対象となり、社名が公表されるリスクがございます。

今回解説するテーマは、禁止行為の中でも摘発が多い「代金の減額の禁止」です。
これは、中小受託事業者(受注側)に責任がないにもかかわらず、発注時に取り決めた発注金額を後から減額して支払う行為を指します。

2.【公取委の最新勧告事例】無意識にやりがちな2つの違法ケース

「うちは不当な値引きなんてしていない」と思っていても、実は社内の独自のルールや慣行が違法と判断されるケースがございます。
今年、公正取引委員会が実際に勧告を行い、違反内容を公開した事例をご紹介します。

・① システム利用料名目での一律減額 :あらかじめ取り決めていた発注金額について、「システム利用料」の名目で一律数パーセントを差し引いて支払っていたケース。

・② 元請代金に連動させた下請代金の不当な引き下げ 基本運賃表で取り決められていた代金があるにもかかわらず、自社(発注側)が荷主等から受け取る代金に一定率を乗じた額に減額して下請業者に支払っていたケース。

これらのケースに共通するのは、「発注側に『違反している』という意識が少ないこと」だと思います。
「業界の慣行だから」「システム管理費として差し引いているから」といった理由であっても、法的には「代金の減額(違法行為)」とみなされます。

3.取適法違反が招く「社名公表」と建設業法の「営業停止」リスク

取適法に違反して勧告を受けると企業名が公表される可能性があり、社会的信用を大きく損ないます。

さらに、建設業許可を取得されている建設業者様の場合は、それだけでは済みません。
建設業法第28条第1項第3号では、以下のように規定されています(一部抜粋)

「建設業者又は政令で定める使用人がその業務に関し他の法令に違反し、建設業者として不適当と認められるとき」

つまり、取適法(他法令)に違反して建設業者として不適当と認められた場合、指示処分や営業停止処分を受ける可能性があるのです。他法令の違反が建設業の営業停止に連鎖するペナルティには、細心の注意を払う必要があります。

※他法令違反と営業停止処分のメカニズムについては、以下の投稿も併せてご覧ください。
[リンク:【建設業法】他法令の違反でも営業停止に!不法投棄と社名公表のペナルティ]

4.【まとめ】自社の発注フローや契約内容に不安はありませんか?

代金の減額は、悪気がなくても「自社独自のルール」や「従来の商習慣」のまま発注を続けていることで発生してしまうケースが非常に多いです。
社外との取引については厳格に精査し、取引ごとに本当に法を遵守した発注になっているかを確認する必要があります。

•「自社で差し引いている手数料や費用が『減額』に当たらないか確認したい」
•「取適法や建設業法に違反しない安全な発注フローを構築したい」
•「自社の契約書や発注書面が法に沿っているか、プロの目で精査してほしい」

本業で忙しい建設業者様、加工業者様、設計製作業者様、運送業者様など、下請取引や発注手続きに少しでも不安をお持ちの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

現場の状況に合わせた具体的な改善策をご提案いたします。
まずは以下のホームページより、些細なことでもお気軽にお問い合わせください。
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[行政書士藤原素雄事務所のホームページ]

この記事を書いた人 Wrote this article

藤原 素雄

藤原 素雄

建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。