- 中小受託取引適正化法
- 2026年9月21日
【取適法(旧下請法)】「役務提供委託」で間違えやすい2つの落とし穴!建設工事との違いと資本金基準を行政書士が解説
【要点まとめ】 ■役務提供委託とは:「労働やサービ……

【要点まとめ】
■発注側(委託事業者)が必ず守るべき「取適法(旧下請法)」の4つの基本義務を、実務の視点から解説します。
■支払期日は「受入検査の合格日」ではなく、「物品や役務を受領した日」から60日以内に定める点に注意が必要です。
■発注時には給付内容や金額等を書面または電子で明示し、取引完了後は記録を2年間保存する義務があります。
■支払いが60日を超えた場合や、不当に発注価格を減額した場合は、遅延利息の支払い義務が生じます。
こんにちは。10/1に神奈川県で行政書士事務所の開設を予定しています藤原素雄です。私は以前、建設業者の購買部員として6年間、下請取引の発注を行ってまいりました。異動後も下請法に関わり続け、2025年2月には中小企業庁の「取引適正化等対策調査専門職員(下請代金検査担当)」の内定をいただいた経験もあります(最終的には辞退し、民間企業へ入社いたしました)。
当時の面接で発注実績について問われた際、「不動産と飛行機、ヘリコプター、車両以外の全ての分野の発注を行った(当時の下請法で規定されている委託内容のほぼ全てを網羅している)」と回答したほど、多岐にわたる業者の皆様と関わってきました。 又、取適法(旧下請法)はかなり勉強しました。
今回はその実務経験を活かし、発注者側(委託事業者)が必ず遵守しなければならない「取適法(正式名称:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)」の4つの義務について解説いたします。
給付を受領した日(役務の提供を受けた日)から60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内で支払期日を定めなければなりません。
※実務上の注意ポイント
起算点は「受入検査の合格日」から60日以内ではありません。受領日が起算点となる点に、実務上は十分な注意が必要です。
発注時、「給付の内容、代金の額、支払期日及び支払方法等」を書面又は電磁的方法で明示しなければなりません。
受領等の期日から60日以内に支払わなかった場合、この60日から支払いをする日までの期間について、日数分の遅延利息を支払う義務が生じます。
また、発注後に発注価格を減額等を行った場合も、その減額金額に対して遅延利息の支払い義務が生じます。
取引完了後、上記(2)の発注内容事項に追加して、「取引に関する記録」等を2年間、保存する義務が生じます。
取適法には、この4つの義務以外にも「委託事業者の禁止事項」が複数存在します。うっかり禁止事項に抵触し、行政指導等を受けるリスクには十分に備える必要があります。
また、最近の実務では、発注書面等を電子メールで送受信する場合、「書類等の作成及び保存する義務」について、電子帳簿保存法と合同での対応を行うケースが多くなっています。
禁止事項の詳細や、電子帳簿保存法との連携対応などについては、今後の記事で順次解説していく予定です。
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。