- 中小受託取引適正化法
- 2026年10月6日
【取適法(旧下請法)】「システム利用料」の控除も違法!?代金減額の禁止と公表・営業停止リスクを行政書士が解説
【要点まとめ】 ■「代金の減額の禁止」とは:受注側……

【要点まとめ】
■支払起算日の原則: 60日以内のカウントダウンが始まるのは「検査日」ではなく、あくまで「目的物を受領した日(サービスを受けた日)」です。
■月末締め翌月末払いの罠: 受領日や暦の組み合わせ(31日ある月)によっては、「翌月末払い」でも60日を超えて違法になるケースがあります。
■やり直し時のルール: 受注側の責任でやり直しとなった場合は、「再受領した日」が新たな起算日となります。
こんにちは。10月1日に神奈川県にて事務所の開業を予定しております、行政書士の藤原素雄です。
今回は、取適法(中小受託取引適正化法/旧下請法)で禁止されている11の禁止事項の中から、実務で非常に起こりやすく、かつ企業の勘違いが多い「支払遅延」について解説いたします。
取適法では、代金の支払期日について以下のように定められています。
「目的物を受領した日(役務提供を受けた日)から起算して60日以内」
ここで最も重要なポイントは、「支払起算日はいつか?」という点です。
委託事業者(発注側)の中には「受け入れ時に受入検査を行い、合格した日を支払起算日」として運用されているケースがございます。 しかし、これは明確な法律違反(誤解)になりかねないです。
法律上の支払起算日は、検査を行った日ではなく、「納品物を受け取った日・役務提供を受けた日(受領日)」そのものとなります。
❌ よくある違法ケース(検査日を起算日にしてしまう例)
「月末締め・翌月29日支払」を設定している企業が、以下のスケジュールで処理を行ったとします。
・9月30日: 目的物を受領(★本来の支払起算日:9月30日)
・10月1日: 受入検査を実施(※企業が勘違いした支払起算日)
・10月末: 検収処理
・11月29日: 代金を支払い
企業側は「10月1日の検収から計算して11月29日払いだから問題ない」と考えがちですが、本来の支払起算日である「9月30日」からカウントすると、支払日(11月29日)まで61日かかっており、60日ルールを超えて「支払遅延」となります。
「うちは検収日ではなく、受領日を基準に月末締め・翌月末払いにしているから大丈夫」と思われている企業様も注意が必要です。
例えば、「7月1日」に目的物を受領した場合を見てみましょう。
•7月1日: 目的物を受領(支払起算日)
•7月31日: 月末締め
•8月31日: 翌月末払い
7月と8月はどちらも「31日まで」あります。そのため、7月1日〜8月31日までの日数は計62日となり、受領日から60日を超えてしまうため「支払遅延」となってしまうのです。
このように、取引日や暦の組み合わせによって、意図せず違法状態に陥るケースがございます。
では、納品されたものに欠陥があり、受注側にやり直しをさせた場合はどうなるでしょうか?
受領した目的物や役務が「取適法4条にて明示した委託内容と異なる」など、中小受託事業者(受注側)の責めに帰すべき事由がある場合は、正当に「やり直し」をさせることができます。
この場合、支払起算日は「やり直し後の目的物を受領した日(またはやり直しのサービスを受けた日)」にリセットされます。そこから60日以内に支払えば問題ありません。
取適法には11の禁止行為があり、それぞれに今回のような非常に細かいルールや落とし穴が規定されています。
「知らなかった」「悪気はなかった」では済まされないのがコンプライアンスの難しいところです。多くの企業様が本業でお忙しい中、こうした細かい法令をすべて完璧に把握し維持することは極めて困難だと感じております。
当事務所では、建設・製造業界で20年以上コンプライアンスや購買実務に携わってきた経験を活かし、各企業様の発注・支払ルールのチェックや改善提案を行って参ります。
本日10月1日の開業を機に、皆様が安心して本業に専念できるよう、そして思いやりのある適正な取引環境を構築できるよう、現場目線で全力で伴走支援いたします。
・「自社の発注・支払ルールが取適法の細かいルールに違反していないか不安だ」
・「本業が忙しく、コンプライアンス体制の整備まで手が回らない」
・「協力会社と良好な関係を築き、共に成長できる取引契約書を作りたい」
このような、取適法について少しでもご不安や疑問がある企業様は、どうぞお気軽にご相談ください。 問い合わせ及び初回のご相談は【無料】で承っております。まずは以下のホームページの「問い合わせフォーム」より、些細なことでもお問い合わせをお待ちしております。
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。