
【要点まとめ】
■機械器具設置工事は「現地で組み立てて設置する工事」ですが、他の専門工事(電気・管工事等)と重複する場合は専門工事が優先されます。
■『建設業許可事務ガイドライン』により、他の専門工事に該当しない機械器具、または複合的な機械器具の設置が「機械器具設置工事」に該当します。
■プラント設備やコンベア等の運搬機器が代表例ですが、変電設備は電気工事、空調設備は管工事に分類されます。
■実際の該非判定は個別具体的であり、管轄行政機関によって見解が分かれることもあるため、専門家への相談が確実です。
(1)機械器具設置工事の基本的な考え方
前回の投稿では、機械器具設置工事が「設置場所で組立作業を行って設置する工事」であることをお伝えしました。しかし、この組立作業を伴う対象物は多岐にわたります。対象物の種類によっては「機械器具設置工事」ではなく、他の「建設工事の種類(専門工事)」に分類される点に注意が必要です。
例えば、「発電設備」を設置場所で組み立てて設置する工事は「電気工事」に分類されます(※1件の請負代金が500万円以上の場合は電気工事の建設業許可が必要です)。
(2)専門工事(電気・管等)との優先関係(ガイドラインの規定)
この区分の考え方について、「建設業許可事務ガイドライン」には以下のように規定されています。
『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。
つまり、原則として専門性の高い各専門工事が優先され、「他のどの専門工事にも該当しないもの」や「複数の要素が合わさった複合的な機械器具」の設置が機械器具設置工事になるというロジックです。
(3) 設備の種類による具体的な工事分類の例
神奈川県の建設業許可申請の手引きなどを参考に、設備と該当する工事種類の代表例を整理すると以下のようになります。
機械器具設置工事:プラント設備、運搬機器(コンベア等)
電気工事:変電設備、送配電設備
管工事:空調設備、給排水設備
電気通信工事:有線電気通信設備、無線電気通信設備
消防施設工事:火災警報設備、消火設備
(4)まとめ:複雑な業種判定は専門家へご相談を
実際の該非判定は、設置する機器の仕様や施工内容といった個別具体的な状況により異なり、管轄する行政機関によって見解が分かれるケースも少なくありません。
建設業法が求める業種区分の判定を正確に行うのは、実務上ハードルが高い部分です。現場作業や経営に追われるお忙しい工事業者様は、専門家にご相談いただくのが最も確実で迅速な解決法となります。10/1の行政書士事務所開業後、多くの建設業者様の事業発展とコンプライアンス向上をしっかりサポートしてまいります。
この記事を書いた人 Wrote this article
藤原 素雄
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。