建設業許可の取得後に必ず守るべき7つの法律!知らなかったでは済まされない実務対策

建設業許可の取得後に必ず守るべき7つの法律!知らなかったでは済まされない実務対策

【要点まとめ】

■許可取得はゴールではない: 建設業許可は取得後こそが本番です。「知らなかった」では済まされない厳格な法的義務が多数発生します。
■建設業法以外の法令にも注意: 廃棄物処理法、大気汚染防止法(石綿関連)、フロン排出抑制法など、現場に直結する関連法令の遵守が不可欠です。
■事務・法務の「丸投げ」でリスク回避: 建設工事の丸投げ(一括下請負)は違法ですが、社内の面倒なコンプライアンス管理や事務手続きは、専門家への丸投げが最も確実で安全な対策です。

こんにちは。10/1に神奈川県で行政書士事務所の開業を予定しています藤原素雄です。              これまで建設業の元請会社に23年勤務し、購買部では6年間で数千件の下請契約を発注してまいりました。

(1)許可取得は始まりに過ぎない!現場に潜む法令違反リスク

多くの事業者様にとって「建設業許可の取得」は大きな目標ですが、現場の実務経験から申し上げますと、本当に重要なのは「許可を取得した後」です。

今回は、私の現場・購買経験を踏まえ、建設業許可を取得した事業者が必ず直面し、見落としがちな「7つの重要法令」について分かりやすく解説いたします。

(2) 実務で必ず直面する「7つの重要法令」と対策ポイント

① 建設業法(基本中の基本)                           建設業者として最も遵守すべき法律です。許可を維持し、適正な取引を行うための厳格なルールが定められています。

●現場の体制構築: 許可標識の設置、全ての現場への主任技術者(一定条件で監理技術者)の配置、施工体制台帳・施工体系図の作成
●行政への届出義務: 毎年の決算変更届、許可内容の変更届、5年ごとの更新申請
●適正な契約と支払い: 営業所ごとの帳簿備え付け、基本契約の締結、発注書面・工事請負契約書の取り交わし、下請取引時の支払期日遵守

② 請け負う工事に伴う各種登録
建設業許可とは別に、特定の工事を請け負う場合には個別の登録が必須となります。

●解体工事業の登録
●浄化槽工事業の登録
●電気工事業の登録

③中小受託取引適正化法(旧下請法)
建設業法が適用されない取引(資本金や社員数の区分による)において、立場の弱い受注者を保護する法律です。

●規定された記載内容による「発注書面」の交付
●取引に関する書類の作成と保存
●支払期日の厳守

④ 廃棄物処理法(産廃の適正処理)
不法投棄等を防ぐため、現場で出たゴミ(産業廃棄物)の処理責任は非常に重くなっています。

●事前の産廃契約(収集運搬・処分)の締結と、産廃保管基準の遵守
●特別管理産業廃棄物管理責任者の配置(該当する場合)
●元請業者によるマニフェストの発行と中間処分と最終処分の完了確認
●自社で産廃を運搬する場合の「車両への掲示」と「書類の備え付け」

⑤大気汚染防止法(アスベスト対応)
近年、非常に規制が強化されている石綿(アスベスト)に関する取り決めです。

●元請業者の義務: 有資格者による事前の石綿含有調査、発注者への説明、公共団体への報告
●石綿排出作業開始届出書の提出(※解体工事自体は専門業者へ委託することが一般的です)

⑥ フロン排出抑制法
空調設備や業務用冷蔵庫などを扱う際に必須となる知識です。

●解体範囲内のフロン対象物の有無の「事前確認」と発注者への説明
●フロン類の回収を充填回収業者へ委託し、フロン行程管理票を発行
●回収後の廃棄物を産廃業者に処分委託
●自社工場等の対象機器の簡易点検、定期点検、記録の保管

⑦ 化学物質管理(自社工場等での取り扱い)
溶接作業や塗装など、化学物質を扱う際の労働安全に関する規定です。

●化学物質管理者の選任(リスクアセスメントの実施)
●有機則・特化則の遵守: 作業主任者の選任と掲示、局所排気装置の設置、特殊健康診断・作業環境測定の実施など
●作業記録の厳重な保管(石綿:40年、発がん性物質:30年等)

※【ご注意】労働安全衛生法等に基づく就業規則や社会保険関連のご相談は、社会保険労務士の専業業務となります。

(3)【結論】工事の「丸投げ」は違法でも、事務手続きの「丸投げ」は大歓迎です

今回ご紹介した7つの法律以外にも、現場によっては「消防法」「振動・騒音規制法」「建設リサイクル法」などが絡んでくるケースが多々あります。
これから建設業許可を取得される事業者様が、これら全ての対象法令を正確に把握し、現場作業と並行して完璧に遵守し続けることは至難の業です。

建設業法では、工事そのものを他社に「丸投げ(一括下請負)」することは固く禁止されています。
しかし、社内の面倒なコンプライアンス管理や法務・事務手続きを、専門知識のある専門家に「丸投げ」することは全く問題ありません。
むしろ、専門家に任せることで法令遵守が確実になり、社員の皆様は本来の営業や現場作業に専念できるため、大幅な工数削減に繋がり、良好な工事の施工が可能となります。

行政書士事務所開業後、建設業の全ての営業活動に対する法令遵守・CSR推進のサポートを行ってまいりたいと思っております。

この記事を書いた人 Wrote this article

藤原 素雄

藤原 素雄

建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。