- 廃棄物処理法
- 2026年9月18日
【産廃の県外搬出】知らないと条例違反に?「事前協議」の手続きと自治体ごとの違い(千葉県・静岡県の比較)を行政書士が解説
【要点まとめ】 ■事前協議とは: 産業廃棄物を排出……

【要点まとめ】
■見落としがちなルール: 産業廃棄物の処理を委託する際、排出事業者は対象となる産廃の「性状に関する書面(情報)」を交付する義務があります。
■重い罰則リスク: 正確な情報提供を怠り委託基準違反に問われた場合、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」等の重い罰則が科される可能性があります。
■WDSの活用: 環境省が推奨する「WDS(廃棄物データシート)」を活用し、SDS(安全データシート)等から抽出した正確な情報を処理業者へ伝えることが重要です。
■不明な廃液の取り扱い: 成分が分からない廃液は「排出不可」です。漏洩しないよう保管するか、成分検査を行って産廃契約の範囲内であることを確認する必要があります。
こんにちは。10/1に神奈川県で行政書士事務所の開業を予定しています藤原素雄です。
今回は、産業廃棄物の処分を委託する際に必要となる多くの手続きのうち、見落としがちなルールの一つを解説いたします。それは以下の取り決めです。
【重要ルール】
産業廃棄物を収集運搬業者様や処分業者様に委託する時、対象の産業廃棄物の性状に関する書面を交付しなければならない
WDS(廃棄物データシート)等による正確な情報提供を怠り、法定要件を満たさないまま産廃の委託をしてしまうと、「委託基準違反」に問われるリスクが生じます。
万が一、委託基準違反に問われた場合、廃棄物処理法に基づき以下のような非常に重い罰則が定められています。
【罰則】(廃棄物の処理及び清掃に関する法律より)
三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
このような事態を防ぐため、「WDS(廃棄物データシート)」の活用をお勧めします。
WDSは排出事業者が自ら記載する書類であり、廃棄物に関する様々な情報が含まれます。この書類を交付することで、産廃処分業者様が適切かつ安全に処分を行うことが可能になります。(※様式は環境省ホームページの『廃棄物情報の提供に関するガイドライン』より入手可能です) [リンク:廃棄物情報の提供に関するガイドライン]
様式をご覧いただければ分かりますが、WDSには膨大な情報を記載する必要があり、これらの情報はSDS(安全データシート)等から抽出します。大学で化学の専攻をされた方でも難解と感じる作業ですが、これを怠ると「産廃契約外の委託」や「産廃処分業者の処分の能力外の委託」につながりかねない、非常に重要な実務となります。
参考までに、私がこれまで建設業者様や加工業者様から数回受けたことのある質問と、その回答を記載します。
【現場の疑問】
「廃棄予定の廃液が何(製品名等)か分からない場合、処分はどうなるでしょうか?」
【答え】
「排出できない」です。
成分が不明なままでは処理を引き受けてもらえません。そのまま漏洩等しないように現場で安全に保管し続けるか、あるいは成分検査を行い、その結果が産廃契約の範囲内であって初めて排出可能となります。
建設業者様や加工業者様は、廃棄物処理法以外にも、石綿(アスベスト)や化学物質管理の法改正が相次いでおり、「本業以外のコンプライアンス対応に追われて、現場に支障が出るのでは」とご心配のことと存じます。
私自身、現場で石綿(アスベスト)や特定化学物質、有機溶剤などの管理実務に携わってきたからこそ、その重い負担は痛いほど理解しています。開業後、各社様の支援をさせて頂きたく存じます。
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。