建設業の帳簿ルール(備付と保管)!意外と知らない実務運用を徹底解説

建設業の帳簿ルール(備付と保管)!意外と知らない実務運用を徹底解説

【要点まとめ】

■すべての建設業者は、営業所ごとに「帳簿」を備え付け、保管する義務があります。          
■帳簿(営業所情報、請負・下請契約情報、契約書写し等)の保存期間は5年です。
■元請業者は、帳簿とは別に「営業に関する図書(完成図など)」を10年間保存する義務があります。                                  
■備え付けや保存を怠ると、建設業法により十万円以下の過料に処される可能性があります。                                     
■実務上の負担を減らすため、受発注や決算報告などを一括管理できる専用ソフトの導入が強く推奨されます.

まとめるもの(保存期間:5年)

以下の内容を「帳簿」としてまとめ、5年間保存する必要があります。

① 『営業所の情報』

② 『請負契約の情報(工事名称、施工場所、請負契約締結日、注文者情報など)』

③ 『それに紐づく下請契約の情報(工事名称、施工場所、下請契約締結日、下請業者情報など)』

④ 上記の裏付けとなる『契約書の写し等の添付書類』

(2)元請業者のみが保存するもの(保存期間:10年)

上記の帳簿とは別に、以下の資料は10年間保存する必要があります。

⑤ 『営業に関する図書』(完成図、打合せ記録など)

※⑤については、発注者から直接工事を請け負った「元請業者」のみに保存義務があります。

【注意点】 もしこれらの備え付けや保存を行わなかった場合、建設業法により十万円以下の過料に処される可能性があります。

(3)【実務のポイント】帳簿管理は専用ソフトの活用がおすすめ

私は以前、データベース管理をしていた帳簿がデータの保存容量により動作が遅くなったため、エクセルで帳簿を作り直した経験がありますが、それは本当に大変な作業でした。

これから建設業の許可を取得される方は、初めから帳簿作成機能が備わったソフトウェアの使用をお勧めします。既に許可を取得されている方で、まだソフトウェアを導入されていない方も、早めの移行をお勧めします。

導入するソフトウェアは、受発注・支払い管理、建設業決算報告、一括有期事業報告(労災手続き)等を一括で賄えるシステムを選ぶと、業務効率が劇的に改善すると思います。

(4) まとめ:帳簿要件の正確な判断と業務効率化

「帳簿」一つをとっても、建設業法の求める要求事項を正確に判断することが難しいのが実情です。現場作業や経営に追われるお忙しい工事業者様は、専門家にご相談いただくのが最も確実で、早く解決できる方法だと思います。

10/1の行政書士事務所開業後、多くの工事業者様の負担を減らし、事業発展のお手伝いができるようサポートしてまいります。

この記事を書いた人 Wrote this article

藤原 素雄

藤原 素雄

建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。