
【要点まとめ】
■テーマ:ISO9001の「業務プロセスフロー」最初のステップである「見積段階での現場確認と適用法令のチェック」について解説します。
■実務経験に基づく知見:私自身が建設現場で施工管理を行った実務経験から、小規模工事等で見落とされがちな法令ポイントを整理しました。
■見落としがちな7つの主要法令:大防法(アスベスト)、消防法、建築基準法、廃掃法、建設リサイクル法、騒音・振動規制法、道路交通法・道路法。
■コンプライアンスと品質維持:社内で統一のチェックリストを作成・活用することで、見積漏れや後からの法令違反トラブルを防ぐことができます。
1.見積時の現場調査で「適用される法令」を確認していますか?
こんにちは。神奈川県の行政書士、藤原素雄です。
前回の記事では、建設業でのISO9001の活用として、「業務プロセスフロー」の作成をお勧めいたしました。
[リンク:【ISO9001】建設業の全体像を見える化!実務に役立つ「業務プロセスフロー」の作成ポイント]
今回は、この「業務プロセスフロー」の最初のステップである「見積」において、正確な見積書を作成するために必要な「法令に関する現場での確認事項」をご紹介いたします。
私自身、以前に建設業者として現場で施工管理を行っていた経験を踏まえ、小規模な工事などで建設業者様が見落としがちなポイントを中心に紹介いたします。
2.見積時に確認すべき見落としがちな7つの関係法令
現場確認の際、以下の法令に関わる事項をチェックしておくことで、後からの見積追加やトラブルを未然に防ぐことができます。
ア.大気汚染防止法(石綿・アスベスト関連)
・解体・改修箇所に石綿含有建材の可能性はないか
・石綿事前調査結果の行政報告が必要な工事ではないか
・石綿含有建材が確認された場合、必要な届出の対象ではないか
※建築物の解体工事は対象床面積80㎡以上、改修工事および対象工作物の解体・改修工事は請負金額100万円以上(税込)が、事前調査結果の報告基準です。
イ.消防法・火災予防条例
・危険物施設等ではないか
・所轄消防署との事前協議が必要ではないか
ウ.建築基準法
・配管、ケーブル、ダクト等が「防火区画」を貫通しないか
・貫通する場合、必要な防火措置を見積りに見込んでいるか
エ.廃棄物処理法(廃掃法)等
・発生する産業廃棄物の種類と数量を確認したか
・石綿、PCB、水銀を含む有害廃棄物が発生しないか
・分別、保管、収集運搬および処分費を計上したか
・排出される産廃は委託業者との産廃契約の対象か
・業務用冷凍空調機器に冷媒フロンが残っていないか(フロン排出抑制法)
オ.建設リサイクル法
・対象建設工事(一定規模以上の解体・新築等)に該当しないか
・分別解体、再資源化および事前届出が必要ではないか
・自治体条例による追加手続きがないか
カ.騒音規制法・振動規制法
・工事場所が指定地域内ではないか
・使用する機械や工法が「特定建設作業」に該当しないか
・事前届出や防音・防振対策の費用計上が必要ではないか
・自治体条例による追加規制がないか
キ.道路交通法・道路法
・道路上での作業に伴う「道路使用許可」が必要ではないか
・足場や仮囲い等の設置による「道路占有許可」が必要ではないか
・交通規制、歩行者等の迂回対策、交通誘導員の配置が必要ではないか
3.まとめ:チェックリストで「法令違反」と「見積漏れ」を防止
今回は法令に関するチェックで見落としがちな項目をご紹介いたしました。
実際の現場調査では、高所作業の有無、工場などでの動範囲、搬入経路(段差・搬入口寸法)、資材置き場の有無などの施工上の確認も不可欠ですが、あわせて上記のような「法令チェック項目」を自社用のチェックリストにしておくと、現場での確認漏れ防止に大変効果的です。
今回ご紹介いたしました各法令の多くは、行政書士の本来業務である「官公署へ提出する書類及び権利義務・事実証明に関する書類の作成」が必要とされます。私は、まずこれらの書類作成に関するご相談から丁寧にお受けしたいと考えております。
【ご相談ください】
「自社の現場確認チェックリストや見積フローを見直したい」「工事に伴う許認可や届出手続きについて確認したい」という事業者様は、どうぞお気軽にご相談ください。
(お問い合わせおは以下のホームページの問い合わせフォームからお願いします。
⇓
[行政書士藤原素雄事務所のホームページ]
この記事を書いた人 Wrote this article
藤原 素雄
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。