【ISO9001】建設業の全体像を見える化!実務に役立つ「業務プロセスフロー」の作成ポイント

【要点まとめ】
■今回のテーマ:前回解説した「ISO9001の4段階文書体系」のうち、2次文書となる「業務全体のプロセスフロー」について建設業を例に解説します。
■作成のメリット:フロー図の作成は一律義務ではありませんが、見積〜引渡しまでの複数業務を一枚の図に可視化することで管理が格段にしやすくなります。
■建設業の基本6ステップ:①見積 ➔ ②受注・契約 ➔ ③施工計画 ➔ ④購買・外注 ➔ ⑤施工・検査 ➔ ⑥完成・引渡し。
■運用の本質:形だけの図を作ることではなく、「前工程から次工程へ何を渡すか」「誰が責任を持つか」を明確にし、伝達漏れや確認漏れを防ぐことが重要です。
1.なぜ建設業で「プロセスフロー(業務フロー)」が必要なのか?
こんにちは。神奈川県の行政書士、藤原素雄です。
私は8月まで会社員を務めておりましたが、本ブログでは会社員時代に現場で自ら経験した内容を中心にお伝えしております。
現場を抱える各社様にとって、少しでもお役に立てる記事にしたいと考えております。
前回の記事では、ISO9001を実務に合わせて運用するため、文書を以下の4段階に整理する方法をご紹介しました。
[リンク:【ISO9001】膨大な文書に悩まない!業務負担を減らす「文書スリム化」と4段階の体系づくり]
1.簡素化した品質マニュアル(1次文書)
2.業務全体のプロセスフロー(2次文書)
3.各工程の詳細手順書(3次文書)
4.業務に必要な記録・様式(4次文書)
今回は、このうち「2. 業務全体のプロセスフロー」について、建設業者様の一般的な業務を例にご紹介します。
建設業では受注、施工計画、購買・外注、施工、検査など複数の業務が複雑に関係するため、全体を一枚の図に整理しておくと、社内の管理や共有が格段にしやすくなります。
2.建設業における基本的な業務フローと主な確認項目
一般的な建設業の業務フローは、大きく以下の流れで整理できます。
【全体フロー】
見積 ➔ 受注・契約 ➔ 施工計画 ➔ 購買・外注 ➔ 施工・検査 ➔ 完成・引渡し
各工程における主な業務内容は次のとおりです。
① 見積
・見積依頼書・設計図書の受領
・顧客要求事項および工事条件の確認
・現場調査
・材料費、労務費、外注費などの積算
・見積書の作成・提出
② 受注・契約
・注文書・契約書の受領
・契約内容の確認
・工事担当者の決定
・受注登録
③ 施工計画
・工程表・施工計画書の作成
・施工方法、品質基準および検査方法の確認
・必要な許可・届出の確認
④ 購買・外注
・材料の見積依頼・発注
・下請業者・協力会社の選定
・下請契約の締結
・施工内容および品質要求事項の伝達
⑤ 施工・検査
・着工前の手続き
・施工および進捗管理
・工程内検査・完成検査
・不適合があった場合の手直し・是正
⑥ 完成・引渡し
・下請工事の確認・検収
・発注者による完成確認・検収
・完成図書の提出
・請求及び帳簿への登録
・引渡し後の補修・顧客対応
3.まとめ:大切なのは「立派な図」ではなく責任と引き継ぎの明確化
実際のプロセスフローは、会社の規模、工事の種類、元請・下請の別、設計業務の有無などによって大きく異なります。
ここで最も大切なのは、立派なフロー図を作ることではありません。
「前工程から次工程へ何を引き渡すのか」「誰が責任を持つのか」「どの段階で確認するのか」を明確にすることだと思います。
プロセスフローを実際の業務に合わせて整理することで、現場や事務所での伝達漏れや確認漏れを防ぎ、工事品質の安定と業務改善につなげることができます。
「自社の実務に合った業務フローの整理方法が分からない」「ISOを形骸化させず、現場の業務改善に活かしたい」とお悩みの事業者様は、どうぞお気軽にご相談ください。
現場での施工管理経験や購買部での発注実務経験を活かし、会社ごとの実情に合った実効性のある体制づくりをサポートいたします。
今回のブログ記事に少しでも興味を持っていただいた方、品質改善を行いたいと思っている方はお気軽に以下のリンクの問い合わせフォームより連絡をお願いします。
⇓
[行政書士藤原素雄事務所のホームページ]
この記事を書いた人 Wrote this article
藤原 素雄
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。