- 大気汚染防止法
- 2026年9月17日
【建設業必須】石綿含有産業廃棄物(レベル3)の正しい廃棄方法とは?委託契約・保管・マニフェストの注意点を行政書士が解説
【要点まとめ】 ■通常とは違う廃棄手順: 石綿含有……

【要点まとめ】
■作業計画の作成義務: 石綿(アスベスト)を含む建材の解体等工事を行う際は、必ず事前に「作業計画」を作成しなければなりません。
■2つの法律のクリアが必要: 作業計画は「大気汚染防止法(大防法)」と「石綿障害予防規則(石綿則)」の両方のルールを満たす必要があります。
■レベル3も対象(2021年法改正): 以前は対象外だったレベル3建材も、2021年(令和3年)4月の法改正により作業計画等の規制対象となりました。古い情報には要注意です。
■現場に合わせた対策: 「防塵マスクの着用」「隔離養生」「湿潤化」など、各社の石綿作業主任者が現場に応じた適切な飛散防止措置を計画・実行する必要があります
こんにちは。10/1に神奈川県で行政書士事務所の開業を予定しています藤原素雄です。本日も現場で実際に経験したこと、得た知識を発信します。
今回は、石綿(アスベスト)解体等工事(レベル3)を行う際に必ず作成しなければならない「作業計画」について解説いたします。
※作業計画を策定する前に行う「事前調査」については、過去のブログ記事にてご確認ください。
石綿が含まれる建材を解体・撤去する場合、現場でのばく露や飛散を防ぐため、事前に綿密な計画を立てる必要があります。レベル3の解体等工事の場合、具体的には解体対象の建材等に対して「防塵マスクの着用」「隔離養生する」「湿潤化する」などの措置を行いますが、これらは各現場の石綿作業主任者が適切な方法を検討し、計画に組み込む必要があります。
作業計画の記載事項については、「大気汚染防止法(大防法)」と「石綿障害予防規則(石綿則)」という2つの法令に、似たようなルールが規定されています。なぜ2つあるのかというと、それぞれ法律の「目的」が異なるためです。
●大防法(環境省): 石綿の排出を規制し、周辺住民など国民の健康と大気環境を保護するためのルール
●石綿則(厚労省): 事業者が、現場で働く労働者の健康被害を予防するためのルール
※作業計画を作成する際は、この両方の要件を満たす必要があります。
以下の厚労省と環境省が作成した「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」の抜粋が記載事項となりますが、それぞれの作業手順、行程表、施工体制、安全衛生は各社様の石綿作業主任者を中心に慎重に考える必要があります。
ここで、建設業者の皆様が最も陥りやすい落とし穴をお伝えします。
実は、この作業計画は、以前は「レベル3」の建材は対象外とされていました。しかし、2021年(令和3年)4月施行の法改正により、現在はレベル3も規制対象となっています。
インターネット上の古いホームページや過去の資料では、未だに「レベル3は対象外」と記載されているものが存在するため、注意が必要です。法令はかなりの頻度で改正されます。常に最新の情報を確認し、適法な施工体制を構築することが重要です。
法改正内容の漏れを防ぐべく、さらに専門的に法令を確認したい方向けに、作業計画を規定する法律の体系(条文の抜粋)を記載いたします。
① 作業計画の記載事項について
大気汚染防止法施行規則16条の4(省令)
特定工事の元請業者又は自主施工者は、当該特定工事における特定粉じん排出等作業の開始前に、次に掲げる事項を記載した当該特定粉じん排出等作業の計画を作成し、当該計画に基づき当該特定粉じん排出等作業を行うこと。
イ. 特定工事の発注者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
ロ. 特定工事の場所
ハ. 特定粉じん排出等作業の種類
ニ. 特定粉じん排出等作業の実施の期間
ホ. 特定粉じん排出等作業の対象となる建築物等の部分における特定建築材料の種類並びにその使用箇所及び使用面積
ヘ. 特定粉じん排出等作業の方法
ト. 第十条の四第二項各号に掲げる事項
② 「特定工事」とは
大気汚染防止法2条12項(法律)
この法律において「特定工事」とは、特定粉じん排出等作業を伴う建設工事をいう。
③ 「特定粉じん排出等作業」とは
大気汚染防止法 2 条 11 項(法律)
この法律において「特定粉じん排出等作業」とは、吹付け石綿その他の特定粉じんを発生し、又は飛散させる原因となる建築材料で政令で定めるもの(以下「特定建築材料」という。)が使用されている建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)を解体し、改造し、又は補修する作業のうち、その作業の場所から排出され、又は飛散する特定粉じんが大気の汚染の原因となるもので政令で定めるものをいう。
④ 「建築材料とは」
大気汚染防止法施行令3条の3(政令)※現在のもの
法第二条第十一項の政令で定める建築材料は、吹付け石綿その他の石綿を含有する建築材料とする。
大気汚染防止法施行3条の4(政令)※2020年4月1日施行のもの(旧法)
第三条の三 法第二条第十一項の政令で定める建築材料は、次に掲げる建築材料とする。
一 吹付け石綿
二 石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材(前号に掲げるものを除く。)
※2021年3月31日までは建築材料は「吹付け材」(レベル1)と「断熱材等」(レベル2)の2種類とされ、石綿含有成形板等(レベル3)は対象外とされていた根拠となります
事前調査結果と作業内容について、公衆や作業者が見やすい箇所に掲示する必要があります。
次回はこの内容を解説いたします。
本ブログでは、私が現場で実際に経験した内容や得た知識を発信します。一日々の現場の法令遵守に、ぜひお役立てください。
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。