
【要点まとめ】
■業務用エアコン等の「第一種特定製品」を所有・使用する管理者は、すべての対象機器で簡易点検を行う義務があります。
■点検周期は「設置後3ヶ月以内」に初回を実施し、以降は「前回の点検日の翌月1日から起算して3ヶ月以内」に行います。
■現在使用していない機器でも、冷媒が封入されていれば目視等での簡易点検が必要です。
■簡易点検を怠った場合、都道府県等から指導や助言等が行われる可能性があります。
■圧縮機の定格出力が「7.5kW以上」の機器については、簡易点検だけでなく有資格者による「定期点検」も義務付けられています。
(1)フロン簡易点検の実施義務は誰にある?(管理者の定義)
こんにちは。10/1に神奈川県で行政書士事務所の開業を予定しています藤原素雄です。
今回は、対象となる機器をお持ちの事業者様は必ず行わなければならない「フロン簡易点検」について解説いたします。
簡易点検の実施者は、「第一種特定製品の管理者」となります。 管理者は基本的には対象製品の「所有者」ですが、リース品等で契約書等の書面に「保守や修理を使用者が行う」との取り決めがある場合は、機器の「使用者」が管理者となりますのでご注意ください。
(第一種特定製品の詳細については、以下の過去ブログにてご覧いただけます)
リンク:『フロン排出抑制法で見落としがちな違反事例!建設・加工業者が注意すべきポイント』
(2)忘れがちな「点検周期(頻度)」のルールと具体例
簡易点検は、機器を設置してから「3ヵ月以内」に初回の点検を行います。 その後は、この初回点検日の「翌月1日から起算して3ヵ月以内」のサイクルで継続して行う必要があります。
(例)
•設置日:4月1日
•初回点検日:6月1日(7月31日までの実施が必要)
•2回目の点検日:9月30日までに行う(7月1日を起算日として3ヵ月以内に行います)
(3)実施方法と「使用していない機器」の注意点
簡易点検の具体的な実施方法については、機器の種類に応じてJARAC(一般財団法人日本冷媒・環境保全機構)発行の手引きをご参照ください。
①エアコン(エアコンディショナー)の場合:
『簡易点検の手引き(業務用エアコン編)』
②冷蔵機器及び冷凍機器の場合:
『簡易点検の手引き(冷凍冷蔵ショーケース、業務用冷凍冷蔵庫編)』
■ 現在使用していない機器の場合
電源を入れていない・使用していない状態であっても、冷媒が封入されている状態であれば外観の目視等の点検を行います。 ただし、無理に電源を入れるとフロンが漏洩する恐れもあるため、可能な範囲内で慎重に行うようにしてください。
(4)簡易点検を怠った場合の「罰則・指導」について
簡易点検は法律で定められた義務です。これを行わなかった場合、管轄の都道府県等から指導や助言等が行われる可能性があります。コンプライアンスの観点からも、日々の運用体制にしっかりと組み込むことが重要です。
(5)まとめ:安全第一の実施と「定期点検」との違い
対象機器が屋根の上にあり、脚立を使用しないと点検が出来ない場合等もあるかと思います。そうしたケースでは可能な範囲内で点検を行い、何よりも「安全第一」に努めましょう。
最後に重要なポイントですが、「圧縮機の電動機の定格出力が7.5kW以上の空調機等」の場合、簡易点検とは別に、有資格者によるしっかりとした「定期点検」を行う必要もあります。お持ちの機器の仕様書や銘板を今一度ご確認ください。
この記事を書いた人 Wrote this article
藤原 素雄
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。