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【要点まとめ】
■業務用の空調機器や冷凍冷蔵庫(第一種特定製品)は、すべての対象機器において「簡易点検」の実施が義務化されています。
■圧縮機の出力合計が7.5KW以上の機器は、さらに有資格者等による「定期点検」が必要となります。
■点検記録や「フロン行程管理票」は、2019年の法改正により、機器の廃棄後も「3年間」の保管義務が課せられています。
■フロン類の適正管理など、環境負荷低減への取り組みは、企業の施工・加工レベルの高さを証明するバロメーターとなります。
(1)フロン排出抑制法の基礎知識(対象機器と環境負荷)
フロン排出抑制法とは、オゾン層の保護および地球温暖化の防止を目的に、フロン類の大気中への排出を抑制するための法律です。
対象となる機器は「第一種特定製品」と呼ばれる、フロン類を冷媒として用いる業務用の空調機器や冷凍冷蔵庫です。家庭用のエアコンや冷蔵庫は対象外となります。
冷媒として使用されるCFC、HCFC、HFCなどのフロン類は、オゾン層を破壊して人体に悪影響をもたらす紫外線を地上へ到達させるほか、二酸化炭素の数百倍から一万倍超という非常に強力な温室効果をもたらします。
(2)現場で多発!見落としがちな「3つの違反事例(罠)」
企業は対象機器の点検や廃棄時のフロン回収を行う義務がありますが、この法律は非常に落とし穴が多く、現場で以下のような違反事例が多発しています。
罠①:簡易点検の未実施
法律により機器管理者に「簡易点検の実施」が義務化されている事実を知らないケースが多く見受けられます。「家庭用の機器と間違える」「フロン類を含有している機器であるとの判断が難しい」といった理由で、無意識のうちに未点検状態となっているため注意が必要です。
罠②:定期点検の基準(7.5KW)の勘違い
圧縮機の出力が7.5KW以上の業務用機器が「定期点検」の対象となりますが、この出力値は機器単体ではなく「圧縮機の合計」で判定されます。この合算ルールを見落とし、定期点検を怠るケースが散見されます。
罠③:点検記録の保管期間違反(法改正の見落とし)
点検記録は「対象機器の廃棄後、3年間の保管」が義務化されています。以前は機器廃棄までの保管で問題ありませんでしたが、2019年の法改正により保管期間が延長されたため、古い認識のまま破棄してしまうと法令違反となります。
(3)廃棄時の必須ルール「フロン回収と行程管理票」
対象の機器を廃棄するときは、必ずフロンの回収を行わなければなりません。
その際、「フロン行程管理票」という書面を発行します。これはフロン回収の流れを関係者ごとに記録・確認するための書類であり、機器管理者および設備業者・解体業者は「フロン類の引渡しを行った日から3年の保管義務」を負います。
(4)まとめ:環境配慮は施工・加工レベルの証明
環境負荷の低減を積極的に行っている企業様は、間違いなく工事の施工レベルが高く、加工業者様においても加工レベルが高いと感じております。
大変落とし穴の多い法律のため、次回以降のブログでは、対象機器の特定方法、簡易点検の方法、フロン行程管理票の扱いなどについてさらに詳しく解説していきます。
この記事を書いた人 Wrote this article
藤原 素雄
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。