
【要点まとめ】
■簡易点検の対象となるのは、「第一種特定製品」と定義される業務用の空調機や冷凍冷蔵機器です。
■確実に対象機器を洗い出すには、「対象になり得る機器の抽出」「仕様の確認」「第一種特定製品の特定」という3ステップが有効です。
■小型空調機やエアードライヤー、スポットクーラーなどは、対象外と勘違いされやすく点検漏れが多発しています。
■「有休扱いの機器」や「破損して動かない機器」も、簡易点検の対象となるため特に注意が必要です。
(1)簡易点検の対象「第一種特定製品」とは
機器管理者(機器所有者)には、フロン簡易点検の漏れを防ぐ手順の実施が求められます。
簡易点検の対象となるのは、「第一種特定製品」と定義される「業務用の空調機・冷凍冷蔵機器」です。一般的な第一種特定製品の詳しい見分け方や注意点については、東京都環境局の公式資料(『フロン排出抑制法の注意事項』等)も非常に参考になります。
※『フロン排出抑制法の注意事項(※PDFが開きます)』(P3~P5に記載されています
(2) 漏れを防ぐ!対象機器を特定する「3ステップ」
公式資料に加え、現場の実務を踏まえると、以下の3ステップで対象機器を洗い出すのが確実です。
ステップ1:対象になり得る機器を抽出する
水を冷却(加温)する機器(チラー、冷水器、給茶器等)を洗い出します。また、空気を冷却(加温)する機器(空調機、盤クーラー等)や、空気を乾燥させる機器(エアードライヤー等)もリストアップします。
ステップ2:抽出した機器の仕様を確認する
取説を確認し、業務用、第一種特定製品、フロン使用の有無を調べます。不明な場合は、本体の銘板の記載内容を確認したり、メーカーへ問い合わせたりします。
ステップ3:対象となる第一種特定製品を特定する
第一種特定製品と特定された機器は対象となります。一方で、家庭用機器、フロンを使用していない機器、ヒータのみで加温する機器は対象外となります。
(3)現場で多発!見落としがちな「6つの機器」
これまでの経験より、以下の機器の簡易点検の漏れは起こりやすいと感じます。
・小型の空調機(家庭用と間違えるため注意が必要です)
・エアードライヤー
・スポットクーラー
・盤クーラー
・冷水器
・有休扱いの機器や破損して動かない機器(これも簡易点検の対象です)
特に見落としがちなのが「破損して動かない機器」や「現在は使っていない有休扱いの機器」です。電源が入らなくても、法令上の管理義務は継続します。(外観の目視確認のみ行います)
(4)まとめ:確実なリスト化が法令順守の第一歩
フロン排出抑制法の順守は、自社の対象機器を正確に把握するリスト化から始まります。現場の隅々に置かれている盤クーラーやスポットクーラー、そして動かなくなった古い機器も含め、今一度「3ステップ」に沿った総点検を行うことをお勧めします。
この記事を書いた人 Wrote this article
藤原 素雄
建設業・サービス業界にて20年以上、現場監督や設備購買、コンプライアンス推進の実務を経験。購買部員として数千件に及ぶ発注実務をこなし、下請取引と法令遵守の専門家です。 ISO(9001/14001/IATF16949等)推進員や内部監査員の知見も有しており、取適法(旧下請法)や建設業法に準拠した契約書・発注書面の作成から、社内規定の構築までサポートします。建築物石綿含有建材調査者や特管産廃管理責任者など現場資格も多数保有。長年の実務経験を活かし、発注側・受注側双方が安心して取引できる環境づくりと、より良い社会の実現に貢献いたします。